TOKYO2020

支える2020の仕事

娘が大人になったとき、
彼女の価値観で
活躍できる世界を、
つくりたい。

東京2020組織委員会 人事部

内山 雅美

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職員8千人、ボランティア8万人。東京2020の大会は多くの人の活動で支えられる。国の組織や企業から出向してきた人、過去大会を経験した人、そして経歴も年齢も多様なボランティア参加者。一人ひとりのバックボーンは違っていても、目指すのは「東京2020の成功」という一つのゴールだ。リクルートから組織委員会の人事部に出向した内山は、様々な価値観を持つ人との出会いを力に変えながら、2020年に向かっている。

組織委員会の人事部で働く内山の担当は、「ワークフォースマネジメントシステム」の運用。8万人のボランティアの、募集、活動内容のマッチング、研修や業務の連絡、大会期間中のシフト作成まで、一連の流れをサポートするシステムの仕組みをユーザーサイドに立って作り上げる仕事だ。前の東京オリンピックの仕事を経験した人はほとんどいない。どんな職務であれ、東京2020の仕事はだれにとってもはじめてのことだ。リクルートで新規事業やプロジェクトに数多く携わってきた内山が出向に抜擢された理由がそこにあった。「組織委員会への出向を打診された時は驚きました。なぜ私に声がかかったのか?と(笑)そのとき、あなたはやったことがない仕事や、これまでとは違う環境も楽しんでくれそうだから、と言われて。不安もありましたが、なかなか経験できない大きな機会ですので、やってみようと思いました」。

組織委員会での仕事が企業内での仕事と大きく異なるのは、一緒に働く相手がみな違う職歴、経歴を持った人たちだということだ。そのことも内山には魅力的に映った。「私はいろんな価値観をもった人と働くプロジェクトが好きなんです。自分がひとりでやれることなんてとてもちっぽけなこと。私の力だけでがんばっても足し算はできるけど、掛け算みたいなことにはならない。
限られた時間のなかで、異なる意思や強みを組み合わせ、“よいもの”を生み出し、成し遂げる。解散する時には、各々が何かを得て持ち帰る。それがプロジェクトの醍醐味だと思います。
そういう意味では東京2020はその最たるものかもしれません」。東京2020に対する想いは一人ひとり違う。ときには意見がぶつかり合うこともあれば、考えを押し付けられることもある。「そんなときでも『あ、そこにこだわりがあるのか』『ここが譲れないポイントなのだな』という発見があります。その人にはどんな背景があって、何を大切にして働いているのかを考えて仕事をすることで、よりよいものを生み出せると思っています」。

アスリートの活躍はニュースに流れるが、そこで働く人たちのことが知られる機会は少ない。職員の中には、大会開催地を移動して何大会も経験している人もいるという。内山は、この仕事をはじめてから、選手のため、つまりアスリートファーストを実現するために、大会を支えている人がこんなにたくさんいたんだということを知って驚いたと話す。「彼らはみな、前の大会ではこんな大変なことがあった、と、過去の苦労話を楽しそうに語るんですね。苦労話をしているのに、もう一度やりたいと思うくらい楽しんでいることが伝わってくる。オリンピック、パラリンピックはそれを支えている人にとってもいい経験を積み重ねる場になっているんだなと実感します。私も東京2020が終わったときにはそういう一人になるかもしれませんね」。

内山には6歳の娘がいる。休日は一緒に工作などをして過ごす時間が楽しみだ。「娘に東京2020の仕事をすることを説明すると、『世界の運動会ってことね。ママ走るの速いもんね』って。私が出場する人だと思ったみたいです(笑)。最近はソメイティちゃんと一緒に仕事をする人だと思っていて、『ソメイティちゃんに会ったら、応援してるよって言っておいて』と言ってます(笑)」。そんな愛娘のために、内山が目指す世界がある。「みんながお互いの価値観を理解し合い、楽しく生活できる。例えば働きたいという意思があれば、時間や場所などの制限があったとしても、活躍できるフィールドがある。東京 2020を契機に、そんな世界になったらいいなと思うんです。そのためにまず、自分の周りからその世界をつくっていきたいと思っています。そして娘が大人になるころには、彼女が自分の価値観を大切にしながらいろんな働き方を選べる世の中になるといいな」。東京2020の基本コンセプトのひとつが多様性と調和。内山はまさに東京2020を通じてその世界を創り出すための一歩を踏み出そうとしている。

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