TOKYO2020

支える2020の仕事

「仕事は楽しい」と伝えたい。
講師と子どもが共に考えるキャリア教育
「タウンワークお仕事ブック」

株式会社リクルートジョブズ
チャネルサポートグループ
内藤里奈

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リクルートジョブズが2014年から実施するCSR活動「タウンワークお仕事ブック」は、小学生を対象に「自分のキャリアを考える」授業を行うもの。講師はアルバイト・パート情報誌『タウンワーク』に携わる社員たちだ。内藤里奈も講師の1人である。
2018年の授業はリクルートに所属する村上慶太選手(車いすバスケットボール)も講師として参加。「東京2020参画プログラム(教育)」に認証され、仕事と競技生活の両立を語った。
授業を通じて子どもたちの仕事に対する意識が変わる。内藤はその瞬間にやりがいを感じている。

「タウンワークお仕事ブック」はリクルートジョブズが行う小学生向けキャリア教育プログラムだ。求人広告事業で培った知見をもとに、小学生を対象に「自分のキャリアを考える」きっかけを提供する授業を行う。

2018年には3校で実施された。1校につき授業は2度。初回の授業では6人ずつのグループに分かれ、働く楽しさや大変さについてのディスカッションを行う。また身近な人の仕事についてインタビューしてくるよう宿題が課される。2度めの授業ではインタビューの内容を発表。クラス全員分の取材記事をまとめて小学生版「タウンワーク」を完成させる。

講師を務めるのは、リクルートジョブズの従業員有志たち。内藤里奈もその1人だ。異色のキャリアの持ち主である。入社以前は10年間、芸能活動を続けた。だが、ある経験が「求人業界」への転身を決意させる。

「東日本大震災が起きた後、自分が出演した番組やCMが全部差し替わりました。そしてどんどん仕事がなくなっていったのです。その時強く感じたのは『自分の居場所がない』ということ。仕事がないとこんなにも不安な気持ちになるのかと思いました。『全ての人に仕事が行き届く世界にしたい』。私の中にその強い思いが生まれ、今の「求人」という仕事に結びつきました。子供のキャリア教育も、入社当時からやりたかったこと。仕事とは、自分の居場所。居場所があるということがどれだけ大切なことか。私ならそれを伝えられる、仕事について考えるきっかけを作れると思っています」

「タウンワークお仕事ブック」の授業はグループそれぞれに講師が1人つく形で進められる。「働くってなんだろう」「何が楽しいんだろう」「何が辛いんだろう」等々、講師が問いを投げかけ、子どもたちが意見を交わす。

「例えば、導入として『みんな一番早くて何歳から皆働くと思う?』と聞きます。すると多くの子は『大学を卒業してから』と答える。そこで『中学校を卒業してすぐ働く子もいるよ。みんなは小学6年生だから、あと3年したら働くかもしれない。もうすぐだね。じゃあ今、仕事について考えなきゃね』。こんなふうに、講師たちがディスカッションをリードしていきます」

それは、講師が一方的に教える授業ではなく、生徒と講師が一緒になって考える授業だ。入社して8年が経つ内藤も、子どもたちの言葉にしばしば仕事観を揺さぶられる場面がある。

「『どんな仕事に興味ある?』と6年生に尋ねたら、皆『生きていくんだからおカネが良くないとダメでしょ』って答えたんです(笑)。そこで私が『じゃあお給料がよかったら24時間眠れない仕事でもいい?』と切り返す。逆に『先生はなんで8年間も今の仕事を続けられたの?』と聞かれて答えに詰まったりして。今なら『楽しかったから』『ここが自分の居場所だと思えたから』と答えられるのですが、授業をしながら私も自分自身の仕事を振り返っています」

講師自身の実体験も、子どもたちにとっては学びの宝庫だ。昨年、リクルートの社員アスリートの1人、車いすバスケットボールの村上啓太が講師として参加した。村上は、週の半分を会社員として働き、残りの半分で競技活動を行う「アスリート支援制度」を、自らの働きかけで実現させている。

「授業前は子どもたちが距離を置いてしまうのではないかと少し不安だったんです。でも、村上選手のバスケと仕事の両方をがんばっている話を聞いたら、皆が『おお〜!』。握手を求める子もいました」

東京2020パラリンピックを目指すアスリートが目の前にいて、バスケットボールの選手をしながら、会社で仕事もしている。車いすでやりたいことをすべて叶えている。その姿は子どもたちにも「すごい!」とストレートに伝わった。

「子どもたちはまだ仕事というものを漠然としたイメージで捉えています。でも授業を通じて『仕事ってこういうもの』とわかると、宝箱から飛び出してきたものを見るように、釘付けになる。その様子が、すごく眩しいんです」

講師を務めながら、内藤がいつも心がけていることがある。楽しく仕事をしている自分の姿を子どもたちに見せることだ。「『仕事は辛いもの』『お金のためにするもの』というイメージを払拭したい」と内藤は言う。

「起きている時間の半分以上は仕事してるんだよ、楽しいほうが絶対お得じゃない?』って、いつも話すんです。授業では、身近な人に仕事についてインタビューする宿題を出しています。もしかしたら、普段はご両親も仕事について多くを語らないかもしれません。でも改めてインタビューしてみると、仕事の楽しいところやその仕事についたきっかけを話してくれます。例えば『父を病気で亡くしてから看護師を目指すようになった』話が出てきたり」

仕事は楽しい。それは内藤が自分の子どもたちに伝えたいことでもある。
「私は幼い子ども2人を保育園に預けて働いています。お母さんはちゃんと楽しく働いているよって、自分の子どもにも見せたいんです」

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